くろねこの涙

レーシック難民になってからの記録

固まった砂糖を簡単な方法でサラサラにするように @Level 3.0

Happy New Year & 明けましておめでとうございます。

すべてのレーシック難民、そして様々な病気を抱えた方にとって、少しでも痛みなどの症状が快方に向かい、次の日朝起きるのが楽しみになるような、そんな毎日が迎えられますように。

 

ひとつだけ良い報告をしよう。

レーシックを受けてから8年程たち、眼の見え方は劇的に悪くなった (遠くも近くも裸眼では見えなくなった) が、眼の痛みは楽になった。術後の痛みを100とした場合、現在の痛みは、日によってかなり変動があるが40から60位のふり幅で落ち着いている。目薬や頓服は使用し続けているため、薬のコントロールが上手くできているのかもしれない。ただ、のたうち回って救急車を呼ぼうかとスマホを握りしめるような痛み、からはほぼ開放された。

 

痛みは暴力だ。

この8年、この眼痛と闘い続けて心からそう思う。痛みは突然日常の一コマに侵入し、身体と心を破壊する。今まで優しかったパートナーから、笑顔でいきなり拳骨で殴られるように、それは不可解で、逃げる隙さえ与えない。殴られ続けている時に、目の前に倒れている人を助けられないように、自分の身なりや将来の夢、銀行口座の残高などを考えることなど不可能なように、痛みは人から人間の魂や尊厳を一瞬で奪いつくしてゆく。

 

そして人は暴力に慣れてゆく。

痛みという暴力を飼いならす術を、身に着ける。DVの被害者が、パートナーの拳骨がいつとんでくるか、どのような場面で機嫌が悪くなるかを段々雰囲気で読めるようになるように...痛みの刃がとんでくる状況・時間・体調を段々予測できるようになる。ちょっとした予兆 --- 風が強い、太陽が低い、車での移動が多かった、塩分の多い食事をとった、会議が多かった --- を無意識のレベルで感知し、事前に痛みの薬を飲んだり、仕事を抑えたりする術を身に着ける。よって、生活の幅はどんどんと狭くなる。光のささない道で出勤、太陽の入らない側で電車のつり革を持ち、締め付ける服や冷えるスカートは避け、人の少ない裏通りを選び、仕事の後に余計な予定を一切入れず、野菜を多く食べ、必ず11時までにはベッドに入る。

まるで入院患者のような毎日。それが、痛みを飼いならすという事だ。

 

 

 

そして心は荒んでしまった。

 

 

 

2017年。

たまたま突拍子もない機会があり、世界で一番入国が難しいと言われる国を訪れた。最初は躊躇していたが、旅行好きとしてはこの機会を逃すこともできず、片道20時間以上かけてその国を訪ねた。観光地めぐり、スポーツ観戦、映画、ミュージカル、美術館、パーティー --- それは眼を壊してからの私にとっては、「行ってもあまり意味のない」行動だったわけで。

しかしその国で、私はそれらの思い込みを覆すことになる。

眼が不自由でも、楽しめる。その場に居るだけで、感じることができる。「体験」とは良く言ったもので、眼で見て理解して楽しむ代わりに、身体全体で経験して感じて受けて楽しむことが出来るのだ。

障がい者に多分世界で一番優しく、そして女性の入国が世界一厳しい国。そこで出逢ったすべての人に感謝する。

 

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海の向こうはエジプトとかスーダン

 

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これで訪問国が分かるはず?

 

※本当にこの国の方は優しかったです... 車椅子の方と一緒に訪問したのですが、全く見知らぬ人がいろいろな場面で手を差し伸べてくれ、本当に感謝しています。これは実際に行かないと分からないことですね。

 

2018年も引き続きよろしくお願いいたします。

 

P.S.

なんで今回のブログがこんなタイトルなのかというと、冷蔵庫で岩石のように固まったままの砂糖をどうにかできないかと調べていたら、思いもよらない方法で、1日にしてサラサラにすることができたので、心の荒みもこんな感じなのかなと。ちなみに解決方法は、砂糖に水を少し振りかけて冷蔵庫で1日寝かすだけ。でした。