レーシック後遺症訴訟の勝利的和解 & 交流会のお知らせ @ Level 3.0
2019年3月7日、激しい雨がコンクリートを打ち付ける寒い日、私達の闘いは勝利的和解という形で終焉を迎えました。
レーシック集団訴訟の勝訴的和解・会見の写真です。 pic.twitter.com/9CkcAxqDst— 日仏共同テレビ局France10及川健二 (@esperanto2600) March 7, 2019
2015年の10月に「過矯正」(希望している視力よりも遠視よりに角膜を削られることにより、日常生活に支障がでる重篤な後遺症を発症した) というグループで二次提訴を行ってから、私たち原告と医療問題弁護団の先生は土日に何度も集まり、東京地裁にも何度も足を運びました。
医療裁判は、これは体験した者だけが言えることだと思いますが、本当に想像以上に困難で精神的苦痛を伴い、立証やそのタイミングも難しいプロセスとなります。原告にとっては、レーシック後の眼の不具合 ---- 近見障害、異常な眩しさ、眩暈、吐き気、眼の奥の痛み、眼の表面の痛み、眼球を握りつぶされているような痛み、複視、異常なハロ・グレアなどなど ---- は、まさに今ここで発生していることなのに、相手に届かない。
痛みはデータにして立証できない。
眼の見え方の問題はデータ化して立証できない。
人間はその情報処理の90%近くを眼から行っているというのに、失明やロービジョン以外の、眼の不具合に対するデータ的立証は非常に難しい。その方法が無い。
しかし、こんな八方塞がりの状態にあっても、医療問題弁護団の先生方、そもそもレーシック問題を世に投げかけてくださったみたに英弘先生のおかげで、私たちは「勝利的和解」を手にすることが出来たと思っています。
しかし、「勝利的」和解ってなんでしょう?
和解に勝つも負けるもあるのでしょうか。
今回、勝利的とあえて記述しているのは、かなり被害者側に有利な形での和解にこぎつけることができたからです。主に、ふたつの点があげられると思っています。
1) 和解宣言は被告と原告が同席し、東京地方裁判所の一室にて行われます。裁判を担当した裁判官の先生がその席にて所見を述べられるのですが、被害者である原告にかなり寄り添った内容を述べていただきました。
それらの被害は、被告の説明が不十分であるがゆえにもたらされた面があったであろうと思いますし、被告の説明が十分であったならそれらの被害は防ぐことができたであろうと思います。[裁判官の先生の言葉]
2) 品川近視クリニックとの、公式な和解条項に下記の条項を加えることが出来ました。
被告は、原告らに対し、今後よりいっそう、レーシック手術などの屈折矯正手術に際して、各患者のライフスタイル、年齢、術前矯正視力を個別に考慮し、完全矯正と低矯正のメリット及びデメリットについて適切な説明を行い、患者に理解させることに努めるとともに、ウェブサイト、患者に交付する同意書及びその他術前説明に関する資料の記載について、本件紛争上指摘された問題点を踏まえ、患者に術後視力の選択にあたり適切な情報を提供するように努めることを約束する。 [和解条項 三項]
補足)
被告 = 品川近視クリニック
原告 = 品川近視クリニックでレーシックを受けて過矯正という重篤な後遺症を発症し、提訴したメンバー
この内容ではとても「勝利」だと思えない被害者の方も大勢いらっしゃると思いますが、今現在の日本の司法制度ではこれが精いっぱい、最大限の勝利宣言だと思っています。
交流会のお知らせ
2019年5月5日 (日) に東京都内にて、まーるい緑のJR駅近郊にて、定例の?レーシックなどの視力矯正手術後に何らかの後遺症・合併症を発症してしまった方やそのご家族・ご友人などを対象とした交流会を開催する予定です。
次のブログで詳細をアップさせていただきますので、もしご都合が合うようでしたら、ご参加いただければ幸いです。
5月5日の12:00~17:00辺りまで開催予定です。出入り自由です。
詳細は少々お待ちください。二次会もあるよ。