読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

くろねこの涙

レーシック難民になってからの記録

なぜレーシック後遺症患者が訴訟を躊躇するのか、の私的考察 (2) @ Level 4

手術から3年目 後遺症の法的処置や訴え

突然の出張・出向・嘔吐で更新が遅れてしまいました。たぶん烏賊のハラワタにあたったようです。出張先の場末の居酒屋で遭遇して、やたら美味だったハラワタの焼き物...たぶん、奴が犯人。

ということで、今回は第二弾。

前回なぜレーシック後遺症患者が訴訟を躊躇するのか、の第一弾を書き連ねてみましたので、今回はその続きです。

 

4)  医療過誤訴訟は、金銭的・精神的・時間的な負担があまりにも大きい

眼の表面の痛みがあまりに激しく、痛みで嘔吐し続けたこともあった頃。
具体的には術後半年までと、症状が再度悪化した術後1年半頃になりますが、単独での訴訟を考えて知り合いの弁護士さんに相談をした事があります。彼には別の全く異なる訴訟でお世話になり、そちらでは勝訴した実績があります。

 

彼に言われたのが下記の言葉でした。

「くろねこさんが、例えば失明したり網膜剥離など明白なレーシックの後遺症が発症しているか、あるいは、眼の痛みですでに失職していたとしたら、訴訟に踏み切るこことをすすめたかもしれないなぁ。」

私はどちらにも「まだ」該当していません。

 

「医療訴訟には、お金がかかるし、そして時間がとてつもなくかかる。そして一番怖いのは、世間や業界からの非難や中傷などを受けることによって、精神的に耐えられなくなる場合が多いんだよ。人生すべてを訴訟にささげる位の精神力と、生活のすべてをささげる覚悟、そして家族などの周りの全面的サポートが必要になんだよ。今、かろうじて仕事も出来ているのだから、単独訴訟をおこしたら、くろねこさんの人生がもったいないな。」

 

前回の「レーシック難民が体験している後遺症とレーシック手術との関連性を、医学的に立証できない」という項目でも書きましたが、まず訴訟に持ち込むにも確固たる医学的データがありませんし、立証に参加してくれる見識者も居ません。そのうえで単独で訴訟に踏み切るとなると、勝率が低く、無謀で孤独な闘いになる可能性が高くなるのです。

 

5) 重篤な後遺症を持つ被害者さんの症状が、あまりに異なる

5つ目に問題となってくるのが、症状の問題です。

レーシック被害者さんの症状の種類があまりにも多岐にわたるので、それらの多種多様な症状とレーシックの関連性を立証するのがますます困難です。

例えば私の主な症状は眼の表面の痛みですが、メインの症状が吐き気だったり、眼の奥の痛みだったり、頭痛だったり、失神だったり、眩暈だったり、激しい頭痛だったり、見える色がおかしくなったり、光過敏、全体が暗い・明るい、焦点が合わなくなったり、鬱病発症、肩こりや腰痛、飛蚊症、耳鳴り...もうこれでもか!といろいろな後遺症があります。

同じくレーシックの後遺症と闘っている被害者さんの調査によると、実はこれらの多種多様な症状は根っこでつながっており:
自律神経、過矯正
がキーワードなのですが、なんせ立証はこちらも難しい。

 

被告側からすると、
「眼の手術なのに、なぜ鬱病なのよ?
焦点が合わないのは、老眼じゃない?
眼が痛いのは、過労によるドライアイじゃない?
頭が痛いのは、もともと頭痛もちだったでしょ?
暗いところで見えづらいって、ちゃんと1.5出てるよ?」
という言い訳オンパレードの逃げ道になってしまいます。

 

5) 時限爆弾と時効

最後の問題が、症状の時限爆弾と時効です。

私のように、レーシック手術をした次の日から何らかの後遺症が出ていた場合は「レーシックと後遺症の関連性」を本人が嫌でも認識できます。しかし、レーシックの後遺症に関して言えば、手術をしてから2年以上たって、ある日突然後遺症を発症する場合も数多くあるのです。

 

そのため、身体の不調(実は後遺症)とレーシックの関連性に全く気付かない人も、実はたくさん居るのではないかと思います。特に老眼や不定愁訴などを発症しやすい、30歳後半から40歳以上の方でレーシックを受けた方などは、実は後遺症だと認識できない場合も多いのではないのでしょうか。これはあくまでも、私の推測ですが。

 

また、後遺症を発症して手術後に何度も病院へ足を運んでも、

「まだ手術をしたばかりなので様子をみましょう。半年...いや術後1年もたてば、症状は緩和されますよ。」

と言われて、1年どころか、私のように2年以上もその言葉をひたすら我慢してしまった患者さんも居るかと思います。

 

医療過誤の訴訟を起こす場合、手術などの原因となる行為があってから、できるだけ早めに訴訟に持ち込む方が有利になるそうです。原因となる行為から数年たってしまっても訴訟自体は可能ですが、その行為(治療、手術、美容整形目的を含む)と後遺症の関連性を立証するのが、よりいっそう難しくなってしまいます。

 

特に法的に規定されているわけではないらしいのですが、原因となる行為が発生してから2年以内が勝負の分かれ道だそうです。レーシック手術をしてから2年以上たって、その後遺症に対して訴訟を起こそうとしても、年月がたってしまっているゆえ、立証はますます難しくなります。

 

もし、訴訟を考えているのだとすれば、とにかくできるだけ早く行動を起こす必要があるのですが、肝心の眼をやられているレーシック被害者さんは、情報を集めるのも難しいというのが実情です。

 

他にもいろいろ訴訟が難しい理由はあると思いますが、訴訟が難しい理由を、完全に個人的な視点でぶちまけてみました。

「じゃあ、どうすればいいの?」

「レーシック被害者は、レーシック難民は、泣き寝入りをしろってのか?」

という怒りの声も聞こえてきそうです。

 

ただ上記の考察を再度読んでいただければわかるかと思いますが、「単独での」訴訟が難しいのであって、それ以外の...例えば集団での草の根活動には、何らかの意味があるかもしれません。

 

まだその答えは、私には見つかっていませんが、キーワードは「集団」。世界中にいるレーシックの被害者の、小さな力の結集。