希望という名の絶望とともに @ Level 3.8
2015年、1日だけ、強烈に忘れられない日がある。
ちまたではスーパームーンと騒がれた、そう9月28日。手帳にはこう記してある
「サンピロでかなり楽になる。眼が楽だと夜の時間が有効に使える。健康な人ってこんなに楽なものなんだな...」
たまたま、医者から処方されたサンピロ2%を久しぶりに試した所、なぜかこの日は、劇的に効いた。レーシック前に戻ったかと錯覚するほど、眼の痛みがほとんど出なかった。嬉しかった。
嬉しすぎて嬉しすぎて、
仕事帰りにデパートによって、
靴を買ったり洋服を買ったりした。
痛みが無いことが、その幸せが凶器だった。
自宅に戻ってからは、溜まりにたまっていたプライベートな用事を済ませた。コンビニに行き、裁判に提出する「レーシック後遺症治療に使用した費用のレシート」を張り付けたノートを、ひたすらコピーする。1時間半、ひたすらノートをめくって、コピーした。
コンビニにたくさんの人がやってくる。いつもなら眼の痛みで、気にとめる余裕もない人達。カップルで手をつなぎながらアイスを選んだり、会社帰りに雑誌を立ち読みする男性。高いハイヒールを履いた女性が、一生懸命ヨーグルトの成分を見比べている。一瞬、強烈な「嫉妬」が湧き上がってきた。
...眼に痛みのない人は、毎日が、こんなに幸せなのか。多分、それぞれたくさんの痛みを抱えているかもしれないけれど、眼の痛みが無いという事は、こんなに幸せなのか、こんなにこんなに強烈に幸せなことなのか...
山のようにコピーを抱えて家路につき、空を見上げるとスーパームーンが東京の街を神秘的に照らす。知らなければ良かった。眼の痛みが無いという状態が、こんなに幸せだという事を、知らなければ良かった。知らないで居たなら、眼の痛みが無いであろう人に対して、こんなに「妬み」の気持ちを抱くことも無かっただろう。眼に痛みが無く、身体も元気でどこも痛くないのに「店員の対応が悪い」「やる気がでない」「あの人に嫌われた」「彼氏からメールが来ない」と悩んでいる人に、ほんまどーでもいいですよと心の中で毒づくこともなかっただろう。
その「たった1日だけ痛みがほとんど無い経験」をしたあと、一番信頼している主治医の先生から、とある遠くの病院の先生を紹介された。その先生はとても偉い先生で、もしかしたら私の痛みの原因を特定できるかもしれないと。
期待していないふりをしながら、本当は期待していたのかもしれない。
5年に1日だけであっても、調子の良い日があったのだから。
痛みの無い世界が忘れられない。
有給をとって、新幹線に乗り、前泊をして遠くの遠くの病院で診察をしてもらった。結局、診断結果は「私の眼の痛みの原因は分からない」というもの。右目のみ、レーシック後のフラップが少し炎症を起こしているということで、フルメトロン点眼液を山ほどもらってきた。たぶん、権威のある先生だったのだと思うが。私のデータが、いつかのちのレーシック後遺症治療の役にたつことを祈るばかりだ。
遠い場所から帰宅してしばらくして、何も手につかなくなった。
張りつめていた糸が切れたみたいに、身体が動かない。
痛みの無い世界が忘れられない。
希望のない世界が信じられない。
アルコール中毒だった人が断酒した後、
たった一口のアルコールを口にしたばかりに、
強烈にアルコールを渇望するかのように。
痛みの無い世界は、私にとってもはや麻薬だ。
私の眼は今、近視化している。
遠くも近くももう、はっきり見えない。
近視になれば痛みが治ると信じていた。
妬み、嫉妬、後悔、拒絶、怒り、不安、失明、恐怖、孤独、痛み。
どうしても人と比較してしまう自分の弱さ。
明るい場所が眩しすぎて
眼だけではなく
心までも
いじけてしまう自分の弱さ
その私の弱さに折り合いをつけるのが、2016年の目標だ。
2016年が、すべての人にとって素敵な年になりますように。
遠くの病院で検査した、私の数値。完全に近視化しているのに、痛みが緩和されないし、近くの見え方も悪いままなのが不思議なところ。
注意:
私の場合、サンピロは効果に変動があり、痛みが楽になる日と、逆に痛みが悪化して吐き気などが出る場合もあります。この目薬は効果に安定性が無く、現時点では、リスクを承知の上での頓服として使用しています。また、連用すると、白内障になるなど重篤な副作用があるので注意。下記を参照してください。
レーシック後遺症 集団訴訟 : 二次提訴が始まりました
10月30日に、レーシック集団訴訟の二次提訴が始まりました。今回は、私を含めた患者さん9人が、東京地裁に集団提訴する形となり、Yahoo!ニュースなどのマスコミの方にも、下記のように取り上げていただきました。
ここまで来るには、本当にたくさんの方々の支えがありました。今までの歴史を、簡単に振り返ってみたいと思います。
1) 2007年 : 「レーシック難民を救う会」の基礎となるレーシック被害者会が出来上がってゆく。この会の基礎を作ってくれた会長さん、先輩の皆様ありがとうございます。
2) 2013年4月 : 前衆議院議員の三谷英弘先生が国会でレーシックの後遺症について質問。
3) 2013年9月 : 三谷先生、医療問題弁護団の高梨先生をはじめとする、多くの先生方のお力のおかげで、レーシック手術に関する厚生労働省および消費者庁への申し入れに関する記者会見を実施
4) 2013年12月 : 申し入れを受け、消費者庁が広範囲の調査を実施。軽い後遺症を含めると、術後、4割の人が何らかの不具合を感じていることが調査で分かる。
注意喚起内容:
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/131204kouhyou_1.pdf
5) 2014年12月 : 一次提訴として、後遺症を訴えた患者さん12人が集団訴訟を開始
私はレーシックという技術を否定していませんし、レーシック手術で恩恵を受けた人がほとんどだと思います。また、本音を言えば特定のクリニックを訴えるようなこともしたくありませんでした。
しかし、一定数の人が、今回訴えられたクリニックでレーシックを受けた後に、重篤な後遺症を抱えてしまったことは事実です。 2007 年の段階で、すでに決して少なくない数の人が、レーシック後の後遺症にすでに悩まされていました。私が手術を受けたのが 2010 年ですから、後遺症を発症している患者さんの存在と後遺症の現状を、3 年以上クリニック側は新規の患者に伝えず、手術の良い面のみを、商業主義で伝えていたともいえます。
もしクリニック側が、レーシック前の検査に時間をかけ、その人の職業や生活スタイルを鑑みて、レーシックを受けることが適切か、適切であればどのくらいの視力をターゲットに手術をすればよいのか、入念に検査をしていれば、私たちのような被害者が増えることは無かったと思います。
クーポン券に期限を設定することにより、手術が本当に必要かどうかを吟味する時間を患者に与えないのも、医療とはかけ離れた行為だと思っています。病院側が患者に対し、手術のリスクや後遺症発症の割合や状況などの情報を事前に正直に伝え、患者本人に手術の是非を考える時間を充分に与え、万が一後遺症が発生した場合は、その患者 のフォローアップを真摯に行っていたならば、レーシックはより安全な手術として、さらに浸透していたのではないでしょうか。
レーシック手術で被害が出ていることは、長い間都市伝説に近い状態にありました。私たちは「被害が出ていることを世間に知らせなければもっと被害が拡大して しまう」と考えたため、長い間地道に各行政や眼科学会などに訴え続けてきました。
この訴えが、当時衆議院議員だった三谷先生に届き、消費者庁の皆様の調査と注意喚起を経て、医療問題弁護団の先生方を通じ「集団訴訟」という形にまで発展することができました。今回の集団訴訟を全面的にサポートしてくださいました医療問題弁護団の先生方には、本当に心から感謝を申し上げます。
当日、先生方が、私達被害者のカルテや資料がたくさん入った重い段ボール箱を何箱も抱えて、私達のために法廷へ向かわれたこと、このシーンは一生忘れることがないと思います。そして、一緒に闘っている被害者の皆様、本当にありがとうございました。
裁判ですから、勝つか負けるか分かりません。
ただ、この問題に(運悪く)参加してしまった個人として、最後までこのレーシック後遺症問題を見届けていきたいなと思っています。
医療問題弁護団では、レーシック後遺症の相談を引き続き行っています:
03-5698-8544(医療問題弁護団事務局)までご連絡ください。
涙道閉塞症とレーシック (4) @ Level 3.5
また、前回からアップデートするのに、期間が空いてしまいました。仕事が忙しくて、自宅に戻った後にパソコンを見る余力が無かった、その一言に尽きます。
結論から言うと、涙道閉塞症の手術は見送りました。
レーシックの手術をしてからというもの、医療、果ては資本主義の根底みたいなものを信用できなくなってしまった私は...セカンドオピニオンどころか、サードオピニオンを求めてH眼科を訪ねました。
この病院には、過去に一度通院したことがあるのですが、あまり良い結果を得られずに玉砕。しかし、別件でH眼科から、眼の総合診断書を発行してもらう手続きが必要となり、その際に、この涙道閉塞みたいな症状も診てもらったのです。
診断は:
右目は確かに肉芽が出来ているが、手術が必要な大きさではない。左目の涙腺にはまったく問題が無いので、なぜ左目にも涙道閉塞のような症状が出ているのかが全く分からない。手術は延期した方が良いかもしれない...
悩むことにも疲れて、手術は一旦延期しました。もっと症状がひどくなったら、その時に考えれば良いという結果に落ち着きました。
帰り際に、H眼科の先生から言われた言葉が忘れられません。
「くろねこさんは、この眼の症状を "病気" だと思っていますよね?だから一生懸命、いろんな病院を開拓して、健康に気を使って、毎日毎日、いろいろ努力していますよね?くろねこさん、残念ながら、この眼の症状は "障がい" です。今の医学では治すことはできません。病気はいつか治るかもしれませんが...障がいは治りません。くろねこさんの身体には、レーシックが合わず、障がいが残ってしまったのです。残念ながら...今の医学ではその原因すら解明できていません。なので、くろねこさんはその眼とともに、新しい生活を構築しなくてはいけないんです。全く新しい、生き方を...酷ですが、探さないといけないんです...ある意味、障がいですから。」
...夏が夏である期間は短い。
梅雨があけて、真っ青な空に灼熱の太陽と、
何か楽しいことが起こるんじゃないかという予感と、
濃い緑に響き渡る蝉しぐれ。
もしかしたら明日眼をさましたら、
あの頃の自分に戻っていて、
自分が受け入れられている場所へと続く
真っ青な青空へ続く
まっすぐな一本道を、
数十年後に訪れるであろう悲劇や人間不信や号泣やのた打ち回るような痛みや壮絶な別れの痛みや愛しいのに憎まなきゃいけないとか欲しいのに欲しくないふりをしないといけないとかブラックホールに飲み込まれるような不安や朝が夜なのか夜が朝なのか分からない日々や永遠に満員電車に揺られているように欲しいものも食べたいものもよく分からないけど引きつり笑いをして
そんなものを知らずに未来に期待しながら駆け抜けたあの日。
新しい人生って、生き方ってなんだろう?
...最近、知り合いのつながりで、とある政治家の先生の関係者に「レーシックの危険性と後遺症について」を陳述する機会に恵まれた。悪い事ばかりではない。声をあげつづけていれば、きっと気づいてくれる人も居る。旧みんなの党の三谷先生がそうだったように、そして、レーシックの危険性が少しは日本国内で広まったように。
涙道閉塞症とレーシック (3) @ Level 3.8
前回のChapter 2にて、「この状況で涙道の手術をして良いものなのか分からないのでアイデアをください」と公開質問をしたところ、いろいろご意見をいただきましたので、ここでちょっとまとめてみたいと思います。
[From Rennkonさん]
私の目の痛みには遠視性のものと眼筋から来るものがあるのですが、まだ自分の遠視度数がわからず、遠視の度数が足りていない眼鏡をしていたときは遠視性の痛みがひどく、このときは普段ドライアイ気味なのに目が疲れてくると涙が駄々漏れてそのとき勤めてた会社の人に引かれるくらいの事態になってました。
[くろねこの感想]
まったく同じ状況です。私の場合、現時点ではサイプレジン原液の検査でも、遠視は見受けられませんでした。ただし、それは「眼科的に言う遠視」であり、ずっと0.03辺りの強度近視の世界しか知らない私の身体にとっては、データ的には遠視が無い正常な1.5の視力であっても、身体的には「遠視に近い状態」だと仮説する眼科の先生もいらっしゃいました。
[From Dendenさん]
こんにちは。過去に少しコメントさせて頂いた者です。専門家ではないので自信はありませんが、「眼圧」が関係しているのかもしれません。「涙がポロポロ流れてくる」という現象は様々な要因があると思いますが、そのうちの一つに「眼圧が減少する」ということで起こるものもあるそうです。ネットでちょろっと調べてみますと、
メガネを外す
↓
眼球に加わる目の眼筋、毛様筋の作用する力が減少する
↓
眼圧が減少する
↓
角膜への変形作用が働く
↓
角膜表面で収縮方向の力が働く
↓
角膜に痛みが発生する
↓
涙ぼろぼろ
このようなことが書かれているサイトもありました。このサイトは視力回復訓練のためのサイトのようですので、レーシック難民の方の悩みとはまた違うような気がしますが、参考までに…。
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/eye_erc/old/r02.htm
また、目で見たものは、脳にある松果体で処理され、脳に伝達されます。特に光や暗さに対して松果体が働き、自律神経が左右されるそうです。レーシック後に見え方が著しく変わったことによって自律神経が狂ってしまっていることも要因のひとつだと思います。
[くろねこの感想]
Dendenさんからいただいたキーワードで、とても気になるのが「眼圧」の部分です。いろいろな目薬を試しましたが、眼の奥が痛い、眩しい、という症状に一番効くのが、「サンピロ 2%」という目薬でした。この目薬は緑内障の患者さん用の薬で、眼圧を下げる作用があります。サンピロを使用すると、眩しさが軽減し、視力が低下することで眼の奥の痛みが楽になります。ただし、連用すると重篤な副作用が発生し、また視力が急に変化することでパソコンなどの近見作業が逆に辛くなる(眼鏡の度数と合わなくなるので眼精疲労が増す)ということもあり、最近はあまり使用していませんでした。ただ、この「サンピロ」を使用すると、涙流の症状も和らぐので「眼圧」がもしかしたら関連しているのかも?
[From 医療関係者さん]
ドライアイは酷くなると角膜に傷が付き痛みで涙が出ます。反射性分泌量が増えます。ドライアイとは涙の基礎分泌量が減ることをいいます。ドライアイが治っているなら朝眼が乾いたりしないと思います。解決になっていませんが影ながら応援しています
[くろねこの感想]
応援ありがとうございます!なるほど、行きつけの眼科やセカンドオピニオンで尋ねた眼科ではシルマー検査により「ドライアイは治っていて正常範囲内だ」と言われているのですが、朝に眼が乾いているのはドライアイが完治していない可能性があるということなのですね。確かに、レーシックをしてしまうと、涙の量ではなく、質が変化してしまい、眼に問題が発生するというのは何度か言われたことがあります。
[From 染井さん]
参考にならないと思いますが自分の状態です。
>寝ているときには常軌を逸したドライアイで、枕元にサンティア目薬を置いて4時間ごとに涙を補給しないといけません。涙道が閉塞しているのなら、夜間も潤うのでは?これはなぜ?
自分も夜間睡眠時の眼の乾きはレーシック後からずっとあります。昼間の乾きはそれほど自覚しません。目薬を指して寝ても変わらずです。
>起床時には瞼が目やにで乾燥して張り付いていて、手で剥がして眼を開けています。これはなぜ?
術後2週間くらいまでなら自覚はしてましたが、それ以降はあまりない症状です。
>プリズム眼鏡をかけると眼の痛みは楽になりますが、涙があふれます。逆に裸眼だと、どの時間帯でも涙目にならないのです。これはなぜ?(ただし、裸眼では近くが見えず、眼の痛みが悪化して生活できません)
似ている状況です。プリズム眼鏡中に眼の表面の痛みは自覚しにくいです。(眼の奥や眼筋は痛みます。)裸眼だと乾燥とも違った眼の表面の痛みが出ます。(目薬効果なし)ただ涙に関してはそれほど変化はありません。
[くろねこの感想]
染井さん、ありがとうございます!同じ難民として、染井さんのブログはいつも参考にさせていただいています。染井さんと私に共通しているのは「プリズム眼鏡で少し楽になる」という部分ですね。他の難民の方も、レーシック後の斜位・斜視の問題をほぼ全員訴えていますね。急に視力が人工的に良くなった事と、斜位・斜視の発生のメカニズムを、専門家の方が証明してくれると良いのですが...
私も、ド近眼のときは全く複視などは無く、「複視」という言葉すら知りませんでした。今では、エレベーターの「開」と「閉」の字が複視によって判別できなかったり、9と6と3と8が判別できずに電話番号を間違えたりと、日常生活に支障ありまくりです...。私の方こそ、染井さんにいつも元気づけられています。
[From Remiさん]
こんにちは。いろいろとお調べになっているようなので、こんな意見は無用かもしれませんが書かせていただきます・・。涙は涙腺から瞬きによって目の表面に行きわたり涙道から排出されます。なので、瞬きをしない就寝中は目が乾きます。程度は違いますが誰でも朝は目が乾いています。なので涙道が閉塞していても涙が分泌されていないので目が乾くのではないでしょうか?
また、目やにはマイボーム腺から出る脂で、クロネコさんの涙は水分と脂分のバランスが悪いとかは考えられませんか?あと、クロネコさんがおいくつかわかりませんが、私は45歳を過ぎた頃から夕方以降に目の渇きを感じるようになりました。22時以降になると渇きがひどくなります。自己分析ですが、夜は交感神経が衰えるので涙の分泌が減るのかな、と思っています(感情の涙は副交感神経、常時分泌は交感神経の作用)。私の場合は潤いの減る年齢でもあるし・・。ようするに、クロネコさんの涙の症状は涙の質と自律神経の影響・・ということは考えられませんか?
既にたくさんの検査をされているようなので、今更な答えだったらすみません・・。
[くろねこの感想]
Remiさん、ありがとうございました。私は40歳半ばの年齢ですので、年齢による問題もあると思います。レーシック手術をした後に、涙の質が悪くなるというのは、複数の眼科の先生から伺ったことがあります。そのため、涙の質を改善する「ジクアス」という目薬をほぼ5年に渡って連用していますが、根本的な解決にはなっていないのかもしれませんね。水分と脂分のバランスは確かに乱れていると思います。自律神経ってどうしたら少しでも正常に戻せるのか...。
[From Ryoukoさん]
空気が乾燥している時に涙目になりませんか?エアコンは大丈夫ですか?紫外線はいかがですか?私はこんな時に涙目になり目尻が赤くただれます。恥ずかしいですよね。ドライアイだと思います。涙の質の低下もあると思います。女性ホルモンが低下すると涙の質も量も減ります。レーシックをしたら深い傷もできるのですから尚更です。私もレーシックの後遺症、辛いです。7年経った今も治りません。少しづつは良くはなってきていますが、良くなってきてるというのではなく慣れてきたと言ったほうが正解です。
[くろねこの感想]
Ryoukoさん、ありがとうございます。乾燥している冬は確かに辛いです。湿気が多い梅雨時期の今の方が楽ですね。あと、私の場合は眩しさで涙がぼろぼろ出る事が多く、雨の日の太陽ですら、かなり辛い状況です。色付の遮光レンズの眼鏡を使用していますが、見た目にはかなり目立ってしまいますが、レンズの色の濃さを増やそうかと悩んでいます。先輩からのアドバイス、感謝です。
[From Twitterさん]
医師に何人か聞くと、寝ている間はドライアイになりやすく、眼が少し開いている可能性もあるかもしれません。
[くろねこの感想]
Twitter経由でいただいたので、名前は伏せています。寝ている間はドライアイになりやすいのですね!私は寝る前に、顎関節症のためナイトガード着用→ヒアレイン目薬→眼軟膏→目元エステでマッサージという一連の作業をしているのですが、確かに寝ている間の状態は分からないですね。こんな時に独り暮らしなのが、いとかなし(涙。眼、半開きなのかなぁ。
...いろいろアドバイスいただきまして、本当にありがとうございました。結局、手術をするのかしないのかという判断は、まだできずに居ます。正直、眼にこれ以上、外科的な処置をするのが怖くなってきています。今、このブログを書いているのは、ほぼ深夜なのですが、眼の表面は乾ききってヒリヒリしており、モニターの隣にサンティアを常備して、何度も眼に注入している状況です。この時間になると、涙流症どころか、砂漠のように眼が乾いています。朝になると一転し、涙がぼろぼろこぼれるので、手術に対するやる気?みたいなのがどんどん失せています。
うーん、結局この連載みたいなのは、「手術こわいからやーめた」で終わりそうな予感満載。最後に一応、締めみたいなのを書こうかな。ということで、次に続く、かもしれないです。誰かの助けになれば。それで幸せです。
涙道閉塞症とレーシック (2) @ Level 2.5
かなり期間が開いてしまいましたが、Chapter 2です。
今年の年明けに涙腺専門の病院へ行き、肉芽というポリープが出来ているため「涙道閉塞症」と診断され、次の月に手術を行うように言われました。手術の予定日として、最初に予約を入れたのは2月。
私が行うように勧められた手術は、「ヌンチャク型シリコンチューブ手術」と呼ばれるもの。「シリコンチューブ挿入術」とも呼ばれているみたいです。内視鏡を涙道内に挿入し、先端に付いた棒みたいなものでつっついて涙道を開通させます。開通させた後に、シリコンの細いチューブを涙道に挿入し、再び閉塞してしまうのを防ぎます。このチューブは、3か月程度、涙道に入れたままにするのですが、簡単に抜け落ちてしまわないよう、チューブの端を膨らませてヌンチャク型にしてあるのです。
詳しくはこちら:
手術自体は日帰りで済みますが...とにかく痛そう。また、移動が多い私にとって、3か月の間、いつでも眼科に駆けつけられる状態にしておくのはかなりしんどい。飛行機の中で眼からチューブが飛び出たらどうしろってんだ?
おまけに....この手術の合併症や後遺症について医師に尋ねると、
1) ドライアイがひどくなり、術後から眼の渇きや痛みを訴える人が居る
2) シリコンチューブが眼頭から抜けてしまい、眼からびよーーんとチューブがはみ出してホラーな状態になる可能性があり、その際はすぐに病院へ駆けつけないといけない。
3) チューブを挿入している間は、鼻をかむことができない。鼻をかむとシリコンチューブが外れて、2) の状態になってしまう。
4) まれに術後に痛みが長引いたり、顔が腫れてお岩さんになる事がある。
そのなかでも特に、ドライアイがひどくなるというのは私にとってかなりリスクが高いわけで。
今、何とか仕事がしていられるのも、もしかしたら涙道が閉塞して涙が潤ってくれているからじゃないのか?むやみに眼をいじるのは良くないのではないか?別に眼から涙が常にあふれていても、それで収入を絶たれるわけではないのだから、このままで良いんじゃないか?それになぜ寝ている間は眼が乾いて乾いて、枕元に目薬を置いて寝ないといけないんだろう?涙道が閉塞してたら、寝ていても涙で潤っているのではないか?
でも、人と話しているといつも眼鏡をはずして、ハンカチで眼を常にふかないといけない。だから、いつもあちらこちらに眼を拭いた後のティッシュが散乱してる。眼鏡に涙のしぶきがいつもはね飛んで、眼鏡を何度もふかないといけない。アイメイクはもう5年もしていない。目じりがいつも涙でかぶれて、赤くただれて手に負えない。
ぐるぐるぐるぐる悩んで悩んで悩んでもう頭がフリーズなわけで。
結局私は、手術とドライアイが怖くて怖くて怖くて怖くて、手術を延期し、セカンドオピニオンを求めて遠くの病院へと足を運びました。数年前にもレーシック後遺症の治療で訪れたことがある病院です。そこで検査したところ、確かに右目にポリープはあるし、涙道が閉塞気味とのこと。ただ、涙道を100%開通させてしまうと、確かにドライアイで再度悩む可能性は否定できないと。
私が手術を躊躇しているのは、下記の疑問点に答えられていないからなのです...
- 寝ているときには常軌を逸したドライアイで、枕元にサンティア目薬を置いて4時間ごとに涙を補給しないといけません。涙道が閉塞しているのなら、夜間も潤うのでは?これはなぜ?
- 起床時には瞼が目やにで乾燥して張り付いていて、手で剥がして眼を開けています。これはなぜ?
- 日によって、涙がだらだら出る日と、あまり出ない日があります。これはなぜ?
- 早朝から15時あたりまでは、かなりの涙目に悩まされ、夕方からは逆にドライアイ気味になります。これはなぜ?
- 22時を過ぎると、判で押したように涙目が治ります。眼鏡に涙のしぶきも飛びません。これはなぜ?
- プリズム眼鏡をかけると眼の痛みは楽になりますが、涙があふれます。逆に裸眼だと、どの時間帯でも涙目にならないのです。これはなぜ?(ただし、裸眼では近くが見えず、眼の痛みが悪化して生活できません)
もしも、誰か良いアイデアがありましたら、ご教示いただけると助かります。いったいどういう状況なのか、自分でも良く分かりません。
ということで、多分、次のChapterへ続きます。
...最近、視力が落ち、裸眼で 1.0 以下になってきたせいか、少し眼の痛みが楽になってきました!レーシック後5年目の現在、裸眼で、近くはほぼ見えず、遠くも徐々に見えなくなってきています...
涙道閉塞症とレーシック (1) @ Level 4.8
更新が滞ってしまいました。
眼のすべてのエネルギーと労力を、生活の糧である仕事に注ぎ込むのに精一杯。家に帰ると、真っ暗ななかお風呂に入り、ラジオを聞いて速攻で寝る、睡眠時間を死守する。とにかく眼をシャットダウンして、何が何でも寝て眼を休めて明日に備える...という見事に味気ない生活が続いてしまいました。
さて、2010年9月にレーシックを受け、2013年1月頃から悩まされ続けて来たのが「涙流症」。レーシックを受けてドライアイになるものの、涙点プラグや目薬などの治療で、ドライアイはほぼ完治。それなのに眼の表面・眼の奥の痛みは全く良くならず、それどころか逆に、眼から涙がだらだらこぼれる「涙流症」のような症状がひどくなって来てしまいました。
何度も何度も眼をテッシュでぬぐわないと、眼から涙がこぼれるし、眼鏡に涙のしぶきが飛ぶし、かなり生活に支障が出て来たのが2014年。そして数ヶ月前、涙腺専門の病院へ重い足を運びました。
診察は、両眼の目頭にある上下の涙腺に、細い注射針のようなものを入れ、適量の水を流し込み、同時に針の先端についた内視鏡で内部を検査するというもの。ビジュアル的には痛そうなのですが、眼に麻酔点眼をするので、検査自体は全く痛みがありません。
涙腺に問題がなければ、眼の涙腺から挿入した水は、どかっと鼻の方へ抜け落ちます。鼻水ずるずるになれば健康な涙道で、鼻水として水が流れ落ちなければ閉塞です。左目から水を注入したときは左の鼻からだらりと水がでてきたのですが、右側は全く水がでてくる気配がありません。
残念なことにこの検査で、右目に肉芽という小さなポリープができていることが分かりました。左目の方はポリープなどは無いのですが、涙腺が細くなっている可能性もあるとのこと。正式な診断名は「涙道閉塞症」。
レーシックをしたから涙道閉塞になったという訳ではありません。ただ、レーシック後の治療などが涙腺閉塞を引き起こした可能性が高いようです。
涙腺専門医の先生の話によると...
1) 涙点プラグの影響
涙をせき止める涙点プラグを長期間装着していると、涙腺に肉芽ができ、涙腺が塞き止められてしまう場合がある。肉芽とは小さなポリープのようなものです。私は2年半程度、涙点プラグを付けていました。
2) ムコスタの副作用
なんと!この4年間、毎日律儀に3回使用していた、あの真っ白な目薬「ムコスタ」が犯人の可能性も。ただ「ムコスタ」は眼の痛みにじんわりと効いた目薬だったので、ムコスタを責める気にはなれないのですが、副作用追加が遅くないかい?
ムコスタ点眼(レバミピド)涙道閉塞、涙嚢炎重大な副作用追加通知-厚生労働省 | 薬剤師専門サイトのファーマシスタ
3) ドライアイ
ドライアイの人は、涙道閉塞になる割合が高いそうです。ただ、その原因は良く分かっていないようで。ドライアイの人は、眼の表面が過敏なため、涙腺が詰まっていなくても涙流症のような症状を訴える場合もあるそうです。
とまぁ、これでもかと眼の不幸とブログのネタは続きます。もう疲れて来たので、続きはまた今度。
2015年、明けましておめでとうございます @Level 4.3
私は毎年、家族の都合により海外で年越しをする ーー 実家が海外。
海外とはいっても日本とは全く生活習慣が異なる国で、たぶん海外旅行の行き先としては名前があがらない国だろう。貧富の格差がかなりあり、人間の命が虫けら以下に扱われる現場を目にして、複雑な気持ちになることもある。
日本では疑問にも思わなかった日常の生活や常識が...
人間はみな平等なんだとか、貧しい人や病気の人には優しくしなくてはいけないとか、便器に便座がついているのは当たり前だとか、シャワーはお湯がでるものだとか、生野菜がスーパーで手に入るのは当たり前だとか、職場で盗みをはたらいたら速攻でクビになるのが常識、バス停はバスを待つ場所で家族6名の住処にはなり得ない、子供たちは学校に通うもので労働をさせるのは犯罪だ、卵をスカートに隠して命がけで盗む人はいないだろう...
とかなんやらとか、が根本から崩れてゆく。
私は別にこの国が好きじゃない。けれど、この国に帰省?すると毎年不思議なパワーをもらえる気がする。そのパワーとかエネルギーみたいなものを、頑張って文字に書き起こすとするならば、
「世界は広い。人の数だけ色々な価値観がある。短い人生、人の目や評判を気にしている時間は無い。ふっと肩の力を抜いて生きていける場所、住処、人の輪、仕事は、自分が求め続けていたらどこかで出会えるのだから。どこででも、いきていける。」
レーシック後の後遺症に苦しみ始めてから月日だけが流れ、どこか新しいアイデアや価値観や生き方を受け入れる余裕が無くなり、自分の殻に閉じこもっていたような気がする。だって私は「障がい」があるんだから、それに治療法が無いんだから、あなたとは違う、あなたみたいに楽しむことも、生活に余裕を持つことも出来ないんだから。斜に構えないと生きていけなかったのも事実だ。
だが、レーシック被害を受けたたくさんの方が名乗りをあげ、被害の一部が集団訴訟まで持ち込まれた今、私が苦しむものは「誰にも理解されない障がい」では無くなった。ある意味、自分たちの力で自分たちの後遺症に対する認知度をあげることができたのだ。
今年は、この後遺症であり障がいを自分自身が受け入れ許し、そしてこの後遺症とともに生きていく方法を、楽しみながら寄り道しながら、見つけていきたいと思う。そして新しい価値観や方法に誰かが誘ってくれたら、ちょっとトライしてみてもいいんじゃないかと。楽しめることを探してみよう。
2015年が、このブログを訪れてくださっている方、すべてのレーシック難民にとって素敵な新しいスタートの年になりますように。そして、すべてのレーシック後遺症患者に対し、根本的な治療あるいは救済措置が実現しますように。