くろねこの涙

レーシック難民になってからの記録

レーシック後遺症と、輻輳力 (眼を寄せる力) が弱いという問題 (2) @ Level 3.0

先日、病院ロビーの待ち時間にて、何となく観ていたテレビ番組。番組名も放送局も覚えていないのですが、作業療法士として活躍されていた女性が、脳卒中で障がいを抱えてしまい、その後、知識と経験で前向きに自らを実験台にリハビリを行うというドキュメンタリーでした。

その女性のコメントで強烈に記憶に残ったのが、下記の言葉です。

「自分自身、あるいは家族が障がいや病を抱えた際に、まず必要なのが、知識・病識・認識です」

  • 知識 - 病気や障がいに対する正しい知識を得る
  • 病識 - 自分の病気や障がいがどのような状況なのかを客観的に知る
  • 認識 - 出来るだけ自分が希望する状態になれるよう、どのような方向性でリハビリや治療を行えばよいのかを知る。諦めなくてはならない事と、改善できそうな事の振り分けを行い、小さなステップでのゴールを設定する。

...そんな内容でした。

今からほぼ4年前にレーシックを受け、かなり面倒な後遺症を抱えた自分に足りなかったのは、まさに「知識・病識・認識」だったと思います。更に言うと、眼科的な「知識」が少しでもあったなら、安易にレーシックも受けなかったでしょうけれど...

 

私の場合、レーシックを受けて、まず発生したのは眼の表面の強烈な痛み。

そして、同時に発生したのが「眼の焦点が合わない」という現象でした。数々の眼科などを周りながら「眼が痛い...眼の焦点が合わない、近くが見えない」と訴え続けていたのですが、この "焦点が合わない" という病態には、実は2種類の問題が隠されていました。当時、私にはその知識が全く無かったため、更に眼科巡りが続いてしまったのです。

 

焦点が合わないという症状は、下記の2つの問題が複合して発生していました:

1. 片目でも両目でも、近くがぼやける = こちらは、眼の調節機能(水晶体)の問題で、俗に老眼と言われています。この調整は眼の水晶体、カメラで言うとレンズにあたる部分が行っています。詳しくはこちら

2. 片目だと見えるのに、両目で見ると近くが2つに分かれて見える = こちらは、今回のテーマでもある輻輳力 (眼を寄せる力) が弱いために発生します。俗に、複視とも呼ばれています。

 

つたない技術で再現してみると:

 1. 下記の画像は、眼の調節機能の問題 (あるいは40代からは老眼) で発生する、見え方の問題です。近くのパソコン画面などが、片目で見ても、両目で見ても、焦点が合わずに何となくぼやけます。

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2. 下記の問題は、輻輳力が弱いために発生する、複視と呼ばれる状態です。近くを片目で見ると全く問題が無いのですが、両目でみると像を融合することが出来ません。私の場合は、4cm 位、像がずれてしまいます。

(ずれ方には個人差があり、下記の再現は自分の場合です)

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私の場合、上記の1. と 2. が同時発生している状況でした。

ただ、レーシック直後は知識が全くなかったために「眼の調節機能の問題(老眼)」と「輻輳力の問題」が同時に発生しているという事が分かっておらず、ただやみくもに、"近くに焦点が合わない焦点が合わない" と叫び続けてしまいました。

残念ながら、眼の調節機能と輻輳力は連動しており、どちらかが弱くなると、片方の症状も発生しやすいようです。ただ、レーシック後に重篤な後遺症に悩まれる方は、高確率で、年齢にかかわらず両方の問題を同時期に発症している方が多いように思います。

なぜ、レーシック後に突然「眼の調節機能」と「輻輳力」に問題が発生する人が居るのか。その原因は分かっていません。ただひとつ言えるのは、+1.5 などのコンタクトレンズを使用して疑似的に近視の状態にすると、複視は一挙に改善し、問題なく近くをひとつの像として観ることが出来るようになるという事です。

...ではどうしたらいいんでしょうか、続きます、多分。

レーシック後遺症と、輻輳力 (眼を寄せる力) が弱いという問題 (1) @ Level 3.8

レーシック後遺症と闘っている、レンコンさんなどの先輩からも伺ったのですが、レーシック難民に若干共通しているのが「輻輳力 (ふくそうりょく - 眼を寄せる力) が弱い、あるいはほとんど無い」という問題です。私も、診察券でカルタ取り大会が出来るほどにたくさんの眼科を周りましたが、ほぼすべての病院で「年齢の割に、輻輳力 (眼を寄せる力) が無い」という診断を受けました。

この輻輳力というのは、スマホやパソコンなど、近くを見る時に必要となってきます。スマホに夢中な若い人を観察していると分かりますが、近距離の小さい文字を見ているときは、両眼が鼻の方に寄っています。この眼を寄らせて近くを見る力の事を、輻輳力というらしいのですが、どうもレーシック難民にはこの力が極端に欠けている人が多いようなのです。

詳しい説明はこちらへ

説明にもあるように、この力を物理的に補うために、プリズム眼鏡というものが必要になってきてしまいます。ただ輻輳といってもその度合いが、近距離・中距離・遠距離で異なるために、段々と、パソコン作業用の眼鏡・会議や街歩き用の眼鏡・運転用の眼鏡、と3段階に分けた眼鏡が必要になり...そのうちに眼鏡だけが大量に生産されることになってしまいました。

しかし、「レーシックを受けたから輻輳力が無くなったのか、レーシックを受ける前から輻輳力が無かったのか」それが今のところ不明です。この見解については、今まで通った眼科でもまちまちでした。私に関して言うと、レーシック前の輻輳力のデータはありません。レーシック前の術前検査にも、2010年当時は、眼の輻輳力の検査が含まれていなかったので、今となっては永遠の謎ということになります。

 

では、輻輳力不全になるとどんな症状が出るか:

(ちなみにこちらは、複数アメリカのサイトなどから抽出してみました)

  • 眼の痛み
  • 眼の疲れ
  • 眼が引っ張られる
  • 頭痛
  • 近くの文字を読むのがつらい
  • 複視
  • 集中力が無くなる、読んだものを忘れる
  • 眩暈
  • 乗り物に酔いやすくなる
  • 片目を閉じる、眼をこする
  • 強い瞬きが増える

まさに、レーシック難民の症状です...。

いったいどうしたらよいというのか?日本だけではなく、英語で検索しても同じようにレーシック後の輻輳力の低下を訴える書き込みなどは、複数見受けられます。どうやら世界規模で発生している症状のようです。

続きます...

レーシック難民がまたもや、名誉棄損で発信者情報開示と削除要求 @ Level 4.0

レーシック難民ブログの中では有名な染井さんに続き、くろちゃんさんが、レーシックを受けたクリニックから名誉棄損ということで、発信者開示請求 (IP開示請求) と削除要求を受けました。ふたりがレーシックを受けたクリニックは、別のクリニックですが、クリニックの要求は同じようなものです。

 

くろちゃんさんのブログで削除要求対象となっている箇所:

1) http://kurotyankun.hatenablog.com/entries/2014/05/22
2) http://kurotyankun.hatenablog.com/entries/2014/05/31
3) http://kurotyankun.hatenablog.com/entries/2014/06/21
4) http://kurotyankun.hatenablog.com/entry/2014/07/09/220857

 

実はネットの世界では、発信者情報開示と削除要求という申し立ては、恐ろしいほど頻繁に行われています。

 

今回の場合、レーシッククリニック側の動きは下記のような流れだったのでしょう:

1) レーシッククリニックに不利益で (彼らにとっては) 根拠の無い情報がブログに書き込まれているけど、書き込んでいる人は誰だか分からない。おまけに、結構みんなが見ている。

2) そうだ、クリニックお抱え弁護士の出番だ!

3) クリニックの弁護士は、まずブログをホストしている "はてな"に対して勧告を実施。「当クリニックに不利益で、かつ真実ではない情報が書き込まれている。これは名誉棄損なので、ただちに該当の記事を削除し、書き込みを行っている人の個人情報の提供を勧告する。」と申し出ます。通常は、原稿用紙みたいな内容証明郵便で送られることが多いですけど。

4) さて、次のアクションは他でもない、ブログのホスト会社...この場合は、くろねこのブログもホストされている "はてな" の管轄となります。クリニック側の申し出が正しいのか、それとも被害者のブログに書かれている内容が真実なのか。そして、慎重に今後どうするかを協議するわけです。

5) はてな側が、被害者ブログが真実を訴えていて、かつ削除に値しない、という判断をすれば、記事は多分削除されません。はてな側が、クリニック側の意見が正しい、あるいは、ブログが真実でも法的に面倒くさい、若干問題があるかも? ...などいう判断になれば、ボロボロの角膜のトポ (形状映像) まであげているくろちゃんさんであっても、記事は削除されるかもしれません。

6) 個人情報 (IPアドレス、書き込み者の個人情報など) を、はてな側がクリニック側に提供ことは、刑事事件ではないので、ほとんど無いでしょう。刑事事件だと協力せざるを得ません。

6) はてな側を少し弁護するとすれば、クリニック側が更に訴訟...法廷の場にこの問題を持ち込もうという強固な姿勢を見せている場合、折れる可能性もあるかもしれません。法廷では「はてな側の代表者と、クリニック側の弁護士」が、まず争わなくてはなりません。そのため、はてな側が削除のみで穏便に終わらせようとする可能性があるのも、致し方ないかも。

ま、上記は単なる憶測で、法的知識もない素人が書いているので、単なる妄想ということであしからず。

 

...しかしながら、ここでクリニック側が争点にしているのは「名誉棄損」です。訴えているのはクリニックという組織ですから、組織の名誉を傷つけられたという事になるでしょう。

しかし、単なる名誉です。単なる名誉。食えもしない名誉。

名誉はいくらでも挽回できます。何年でもかけて、名誉は挽回できます。しかし、明らかに角膜を傷つけられてしまったくろちゃんさんや、その他大勢のレーシック難民の健康、希望、仕事、趣味、楽しみ、相手の眼をみて話が出来る生活...それはどうやって挽回できるのでしょうか?どんなに努力したって、お坊さんみたいな健康的な生活をしたって、毎日眼の体操をしたって、日本中の眼科を渡り歩いたって、眼は治っていないのです。

悲しいのは「なぜ、クリニック側がその名誉を、後遺症患者と一緒に挽回しようとしないか」です。私も術後、何度もクリニックに通いました。眼が痛いんです、毎日朝から晩まで痛いんです、助けて、治して、再手術できませんか、眼鏡が合わないんですが、何か良い目薬ないですか、何とかなりませんか、飲み薬ありませんか、近見の検査してもらえませんか、プリズム本当に必要ですか、眩しくて仕事になりません、助けてください、助けてくださいたすけてください。

しかしクリニック側から、親身になって治癒への道筋を何とか一緒に見つけ出そうという姿勢、暖かい言葉のひとつさえ...ありませんでした。言われたのは「はいお大事に、加齢ですね過労ですね加齢ですね過労ですね、はいはい」

 

今回、内容証明を送りつける前に、出来なかったんでしょうか?

後遺症患者と一緒に名誉を挽回する道を探すことが。

「どんなに時間がかかっても、一緒に治療への道を探しだしましょう。あなたはひとりじゃないです、私たちがサポートします。」

そのひとことが。

たとえ嘘であっても。

 

EIZO FlexScan EV2436 モニターにかなり救われる @ Level 3.5

レーシック手術を行った直後から、とにかく眼の表面の痛みが治らずに難民生活へ。

術後の痛みは (強弱はあるものの)、もういい加減に4年近くも続いています。また、痛みだけではなく「明るさ」にも、尋常ではない位に敏感になってしまいました。光が眼に突き刺さる、明るいものを見るだけで、脳天に突き刺さるような痛みが走り、その場にうずくまってしまう。

太陽の光、コンビニやデパートの白っぽい光、オフィスの蛍光灯の光、パソコンのモニターの光、夜の車のヘッドライト、歓楽街のネオン...すべての光がもはや人生の敵。さすがに後遺症を4年も抱えているので、眼鏡に遮光レンズを使用したり、外出時にはオーバーサングラス (眼鏡の上から使用するサングラス) を使用したり、部屋の照明を限界まで暗くしたりと、何とかコントロールをする術は覚えました。

ただし、パソコン関連の仕事で生計をたてている身として、最後の越えられない壁が、パソコンのモニターの明るさ。限界までモニターを暗くしても、私には明るすぎて、眼が痛くなってしまう...

如意スクリーンというソフトを使用して、何とかパソコンのモニターを暗くして乗り切っていましたが、このソフトを使用しても越えられない壁が「スクリーンショット」。仕事柄、スクリーンショットを多用するので、そのたびに、如意スクリーンをOFFにするというのが非常に面倒なのです。(如意スクリーンを使用していると、スクリーンショットが暗い状態で行われてしまい使い物にならない)

特定の商品を紹介するつもりはあまり無かったのですが、今回、思い切って EIZOのFlexScan EV2436W-Zモニター (24.1インチ) を購入したところ、ビンゴですべての悩みを解決してくれました!疲れ目対策にこだわったモニターという事で、お値段はかなり高めですが、如意スクリーン無しでかなり快適にパソコンを使うことが出来ています。

何と言ってもすごいのが「Paper」モード。紙の質感に近い形の暗さと、柔らかさをモニター上で実現してくれます。Paperモードで、ほぼ最大限に暗い状態に設定すると、通常のモニターと比較してかなり快適に作業が出来ています。

レーシックをしてすっかり難民化した後に、仕事で、市場に出回っている電子書籍の機能比較を行ったことがあります。あくまで機能比較であって、画像の質の調査ではなかったのですが、第三世代の初期 Kindle Paper White が一番眼に優しかったのを覚えています。ですので、この紙の質感に再度モニターで出会えたのは嬉しかった!

プリズム眼鏡1本分の値段はふっとんでしまいましたが、買って良かった....助かった。残念ながら職場では別の安いモニターを使っているので、引き続き如意スクリーンのお世話になっていますが、自宅のパソコン環境はかなり快適になりました。自宅から仕事できればなぁ...無理だ。

 

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※右側のモニターがEIZOFlexScan、左のモニターは今まで使っていたSUMSUNGのモニター。デュアルモニターにしたんだけど、結局FlexScanの方しか使っていない。明るさは、もはや自分の眼で正常な範囲にて識別できないので、上記画像が明るいのか暗いのかは判別できませんのであしからず...

レーシックの再手術について @ Level 3.8

「レーシックの後遺症に苦しんでいる」と言うと、必ず聞くのが「再手術して視力を下げたりすれば、治るんじゃないの?」というアドバイス。

再手術。

内臓疾患や整形外科的な病気でも、1回目の結果が芳しくない場合、2度目の手術を行います。私の場合、物理的に角膜を削りすぎて若干遠視、そして "私の身体にとって" 遠くが見えすぎる状態になってしまったのですから、理論的には遠視の人が行う「遠視矯正のレーシック」を行えば良いわけです。

遠視から逆に近視に戻し、ターゲットの視力を 0.6 ~ 0.7 辺りに設定して再手術し、遠くの視力は眼鏡で補えばよい。計算上では再手術により近くが見えやすくなり、眼の調節能力の負担も減り、痛みの後遺症は楽になるはずです。ターゲット視力の微調整が難しいなら、レーシック前の 0.1以下の視力に設定し、一生ド近眼眼鏡生活でも良い。とにかく痛みが治るなら、一生眼鏡であっても、容姿がさらに残念なことになっても良い。

眼科巡りを行いながら、私は訴え続けました。「先生、今回はリスクを覚悟のうえでなのですが、再手術をしてもらうことはできないのでしょうか?何とかならないでしょうか?」

私がレーシックを最初に受けた Xクリニックを含めて、7つのレーシックを行っている病院にて再手術が出来ないかと訴えましたが、どこの病院でも「リスクが非常に高いので絶対にお勧めしない」との答えが返ってきました。

後遺症患者さんの年齢や状況、ライフスタイルにもよりますが、その7つのクリニックで聞いた再手術のリスクをまとめてみました。

 

■ レーシックをした後の、視力を落とす手術は技術的に難しくハイリスク

昔は一部の眼科にて、レーシック後の遠視矯正手術を行っていたようなのですが、今では美容系レーシッククリニックを含めて、微調整を目的とした遠視矯正の再手術は積極的に行っていないようです。術後に、明らかに異常と思われる +3.0 ~ +5.0 などの遠視度数になっている場合には、再手術を行う場合もあるようですが、私のようにデータ上 +0.5 ~ + 1.0 辺りの遠視度数では、手術の範囲外となります。どこへ行っても、「視力を落としたからと言って痛みの症状が良くなる保証はどこにもないですし、逆に近くも遠くも見えなくなくなる可能性も高いです。くろねこさんの再手術は絶対にウチではやりません。」という反応...

 

■ 年齢の問題 (現在私は40代前半) により術式が選べない

後遺症のどこまでが「自然的に発生している老眼」で、どこまでが術後の「遠視や過矯正によるもの」で、どこまでが「(もしかしたら) 先天的にあった眼の調節能力 ー特に眼を寄せて近くを見る輻輳と呼ばれる機能ー の問題」なのか、の線引きが非常に難しい。特に私の場合、同じ年齢の人と比べて明らかに眼の調節能力が弱く、レーシックによる眼精疲労で調節障害が起きているのか、先天的に調節障害があったのかの原因特定がほぼ不可能な状態です。なので「遠視矯正」をすればよいのか「老眼レーシック」をすればいいのか、あるいはそれ以外の特殊な矯正手術なのか...が特定できず、よって病院側も術式が選べないのです。

 

■ 角膜神経痛がさらに悪化する

ここ数か月、レーシック後の後遺症の話をすると、かなりの割合で角膜神経痛のことを知っている先生に出会うようになりました。もしかしたら、日本の学会でも取り上げられているのかもしれません。複数の病院で言われたことは、「もしも眼の表面の痛みの原因のひとつに角膜神経痛があった場合、再手術によりさらに悪化する」という事でした。角膜神経痛は、角膜の神経を切断することによって発生する病気のため、再手術でさらに切断すると、以前より強い痛みを発症する場合があるようです。

 

■ 角膜を今は温存して未来の技術に期待し、白内障に備える

眼の痛みの確固たる原因も分かっていない状態で再手術をすると、角膜の厚みはさらに減ります。角膜の厚みが減ると、3度目の手術は ーそれがいかに画期的な手術であってもー 角膜を削るタイプのものであった場合には、出来なくなってしまいます。また年齢的に、将来白内障などの病気にかかって手術をする可能性が高い状態です。白内障手術をする際には、人工のレンズを眼に挿入する形になります。そのため再手術のリスクをとらずに、白内障手術の際にレンズで視力を落とすことが可能になります。ただしその場合、私の眼の状態を長年診てくれている病院にて、慎重に度数を決める必要はありますが。

 

すでに再手術をされた方は不安になるかもしれませんが、上記の内容は、あくまで40代で眼の調節機能障害がかなり顕著な、"私" という個人に対する内容です。なので、ひとつの実例として聞き流してくださいね。現に、再手術で良くなった方もいます...ただ、どの方も年齢が若い方だったので、30代後半以降の老眼年齢の方は再手術にかなり慎重になった方が良いかもしれません。

 

なーんて書いていたら「レーシック難民を救う会」の立ち上げメンバーの、レンコンさんも同じ内容を書いていたので、ここでご紹介:

レーシックの再手術はデンジャラス

http://lasikganni.hatenablog.com/entry/2014/07/06/073853

※ちなみに、レンコンさんなど、会の立ち上げメンバーのおかげで私も救っていただくことができました。

 

...やっと新居にも慣れ、新しく購入したパソコン机と椅子とベッドが届きました。今まで、何一つ家具が無く、すべての生活を床で行っていたので、なんと文明に近くなったことか!ただ、テレビ回線になぜか接続できないので、chromecastを買ってしまいました...ゆっくり時間をかけてお気に入りの海外ドラマを、たまに観ています。もちろん、部屋は真っ暗、そもそも照明を買っていない状態で生活できてしまっている...はぁ。

それから、いろいろ応援コメントをくださった皆様、本当にありがとうございました。個別にお礼がかけなくて大変申し訳ありませんが、お陰様で、新たな人生のスタートを切ることができたように思います。感謝。

 

いつか失明するかもしれないと思いながら生きる事、の代償 @ Level 6.0

家賃も光熱費も毎月きっちり払っているはずの自宅から避難せざるを得ない窮地に追い込まれ、東京のアンダーグラウンドをさまよって、2週間。テレビもインターネットも冷蔵庫も無く、共同風呂・洗面所の片隅でユニクロのシャツを洗い、暖かいものも食べられず、ひたすらコンビニ飯とぬるいビールや冷えてない麦茶を飲み、夜は多分この安宿に住んでいるであろう隣の部屋の労働者の、悲しい歌をつまみに瞑想。

ひどい風邪もひかず、毎日ちゃんと会社には通勤出来て (洋服は本当に困ったし、靴は毎日同じだったけど)、健康に過ごせたことには感謝するばかり。

そんななかで、やっと新居の契約が済み、家具も何もかもほとんど持たず、夜逃げ同然での引っ越し。全く知らない新しい街で、新しい生活が始まりました。せっかくの新居ですが、家具が無いため、床で生活し、床でご飯を食べている状態です。とにかく椅子が無いので腰が痛いけれど、精神的には少し落ち着きました。

今後、超えていかないとならない課題はたくさんあるのですが、最初のハードルは超えたような気がします。

...しかし、仕事は待ってくれない。身体も心も限界ぎりぎりの状態なのですが、またまた地球の裏側へ出張です。今回は、そもそも体力も精神力もすべてを使い果たした状態での長距離出張だったので、初っ端から嫌な予感はしていました。

出張先へ向かう飛行機の中で、それは起こりました。とにかく眼から涙がぼろぼろぼろぼろこぼれてくるのです。泣いている訳ではなく、物理的に涙が流れて止まらない。おかしいなぁ、と思いつつ、目薬をさしながらテッシュで涙をぬぐっていたのですが、だんだん眼の表面・眼の奥の痛みが我慢できない位にひどくなり、眼を閉じても痛くて、痛いという言葉さえ無意味に感じるほどの戦慄で、これはまずい!と恐怖を感じても、ここは上空、空の上。

真剣に、「失明するかもしれない」という恐怖を感じましたが、ここはレーシック難民。ただ、ひたすら耐える。本当は泣きたいのにずっと我慢していたから、眼が勝手に泣いてくれているんだ、とか適当なことを考えても、あまりに痛くて「飛行機から降ろしてくれ!」と泣き叫びたくなる、けど、すでに眼からは涙があふれているし、痛みと恐怖で言葉さえ出ない。

なぜだ?生きるために歯を食いしばり、顎までおかしくして、それでも自分の面倒は自分でみようと生活のすべての犠牲にして仕事を頑張っているのに、たった一回の、それもほとんどの人が成功している手術で、私はなんでこんなにひどい後遺症が出ているんだ?いったい、この痛みは何なんだ?原因が分からないって、それなのにレーシックが今も行われているって、おかしくないか? 私の人生を返してほしい、出張を楽にするためにレーシックをしたのに、出張が出来ない身体になった...そして今、飛行機から飛び降りたいと思っている。眼が、あまりに、痛いから。

 

私はいつか、痛みで狂うか、痛みで失明するかもしれない。

私はいつか、痛みで狂うか、痛みで失明して、仕事を失うかもしれない。

私はいつか、痛みで狂うか、痛みで失明して、仕事を失って、ホームレスになるかもしれない。

私はいつか、痛みで狂うか、痛みで失明して、仕事を失って、ホームレスになって、もう自殺するしか方法がなくなるかもしれない。

たった一度の間違いを犯したから。間違いはレーシックをしたこと、安心安全であるはずのレーシック手術を受けてしまったこと。

 

目的地に着き、あまりの眼の痛みで正常な判断もできず、タクシーにぼったくられ、痛みで真っ直ぐに歩くのもやっとの状態。しかし、ホテルに着いてひたすら寝たら、痛みは若干楽になりました。しかし鏡をみたら、右目が腫れあがって、真っ赤な状態ではないですか!周りから心配されるほどに右目が腫れあがったまんま、とりあえず仕事を進めるしかない。だって、この国の言葉で「えーっと、レーシック失敗して、で、機内で涙が突然止まらなくなって眼に激痛が走り」とか説明できないうえに、もう説明する気力もゼロ。ゲームオーバー。

日本から遠く離れた異国の街。ああこの眼さえ痛くなかったら、きっとこの街は本当に美しいのだろうな。いろんな通りを散策しながら、夜遅くまで沈まない太陽をめいっぱい楽しむことができたのだろうな。ちょっと無理して、隣の区域の観光地まで行けたのにな。

...でもね、どん底までたどりついて、ほぼすべてを無くした人間は強いものです。限界まで生き抜いてみます、限界までいろんな世界を旅してみせます、限界まで仕事をします、失明して失職したらそれこそハンガーストライキでもしましょう。ここで泣き寝入りしては、今までの苦労と眼痛がアホみたいなものですから。

...なーんて、美しい街のあまり美しくないビジネスホテルからアップデートしてみました。ビジネスホテルのレストランは、現在ストライキ中で「正義のために立ち上がれ!(Stand up for the right)」と、ご丁寧に英語で張り紙が出されていました。さすが、革命の国。少しは見習わないとなぁ、この強さ。

顎が突然開かなくなったその後と、放浪生活 @ Level 4.8

ほぼ半年前辺りから巻き込まれていた面倒事がさらにやっかいになってしまい、現在、都内をプチ放浪 ? するという事態に陥っています。

これからしばらく、インターネットに接続できない状態が続きますので、更新が不定期になります。その為、いただいたコメントにも、全然回答できず本当に申し訳ありません。ただ、ちゃんと元気をいただいています!ありがとうございます。

巻き込まれた面倒事は、レーシックと直接的な関連性はありません。

ただレーシック被害の後、私自身の生活が一変し、生活や仕事のスタイル、人生の方針、お金の使い方も大幅に変更しないといけなくなったため、その副作用という形で周りの人間関係に大きなヒビが入ってしまいました。そのため、このような大きなトラブルに発展した可能性も否めないなと思います...。

逆に言うと「健康でずっと働けるという前提で築き上げたものをいったんゼロに戻し、レーシック後の体調・眼調不良と不安を抱えた身体を前提に、今の自分に適した新たな人生と人間関係を再構築できる」とても良い機会になったともいえます。

今、この巻き込まれたトラブルの詳細を書くことはできませんが、レーシック被害を抱えた人以外にも役に立つ内容が含まれていると思いますので、落ち着いたら別コーナーでちょっぴり公開してみたいとも思っています。

 

さて肝心の顎ですが、口腔外科のある大きな病院へ行き、正式に「顎関節症」という診断を受けました。週に2日、レーザー治療とマッサージをするだけで、他に目立った治療は行っていません。発症してから1ヵ月以上たった今、肉やフランスパンなどの固いもの以外の食べ物は、何とか食べられるようになりました。ただ、痛みはまだ続いています。

口腔外科の先生曰く、眼精疲労やパソコン作業などで眼を酷使すると、眼からつながる顎の筋肉に負荷がかかり、顎関節症になるというのは良くあることだそうです。なので、レーシックで合わない視力になり、眼精疲労がひどくなり、その眼精疲労によって顎に症状が出るというのは考えられない事ではないそうです。もちろん、レーシック手術が成功し身体にあった視力になった人の場合は、眼精疲労もそれほど起こらないので、顎関節症の心配もありません。

 

...折角少しはまともなものが食べられるようになったのですが、冷蔵庫も電子レンジも無く、風呂も共同な安宿に避難しているせいで(涙、麺以外のまともな食事にありつけていないのが悲しいところ。

あと数日で、もう少しまともな所に移動できる手筈が整っているので、しばらく東京のアンダーグラウンドで放浪を続けます。