くろねこの涙

レーシック難民になってからの記録

Around the Globe with Lasik Complications @ Level 4.0

仕事で、地球を一周、旅している。

過酷な海外出張が頻繁にある仕事だったから、レーシックをした。災害で悲惨な経験をした友人がたくさんいたから、レーシックをした。

眼鏡やコンタクト、コンタクトの洗浄液、眼が悪いから必要となってしまうたくさんの荷物とおさらばしたかった。滞在先の国での仕事が突然延長になった時に、「あ、コンタクトのストックがもう無い!」といった突発的な問題から逃れたかった。眼鏡は大嫌いだった。ド近眼だったから、見た目的にもイケてなかったし、とにかくわずらわしかった。

災害が起きた時に、眼鏡やコンタクトが無いと、全く何も見えなくて動きがとれない状況でいたくなかった。傍に来ている救助隊が見えずに瓦礫に埋もれて死にたくなかった。火の手があがっているのに気付かず、逃げ遅れたりしたくなかった。ド近眼で阪神淡路大震災に巻き込まれた親友が、命からがら逃げ出してきて最初に行った言葉。「眼鏡もコンタクトも、地震でつぶされてなんも見えへん。ほんま、なんも見えへんで死ぬ」。

たくさんの眼鏡やサングラスや目薬と(それから時差ボケで使い物にはならない飲み薬)と旅をしながら、今、地球の裏側に居る。裸眼で見る星空はとても綺麗だ。ハローだかグレアだか乱視だか、具体的に何の後遺症のせいかどうかは分からないが、花火をちりばめたみたいな夜空。

夜中に酔っぱらって、海に膝までつかりながら、私は何をやっているんだろうと、悲しいようなバカバカしいような気持ちで、どこかでいろんなレーシック被害者につながっているであろう空を見上げる。

いつまで頑張れるんだろう...

でも、頑張る必要なんかない。

世界は広い。見事に広い。生きにくい場所から逃げたって何とかなる。


松任谷由実 YUMI MATSUTOYA - 春よ、来い - YouTube