くろねこの涙

レーシック難民になってからの記録

レーシック後遺症と、輻輳力 (眼を寄せる力) が弱いという問題 (2) @ Level 3.0

先日、病院ロビーの待ち時間にて、何となく観ていたテレビ番組。番組名も放送局も覚えていないのですが、作業療法士として活躍されていた女性が、脳卒中で障がいを抱えてしまい、その後、知識と経験で前向きに自らを実験台にリハビリを行うというドキュメンタリーでした。

その女性のコメントで強烈に記憶に残ったのが、下記の言葉です。

「自分自身、あるいは家族が障がいや病を抱えた際に、まず必要なのが、知識・病識・認識です」

  • 知識 - 病気や障がいに対する正しい知識を得る
  • 病識 - 自分の病気や障がいがどのような状況なのかを客観的に知る
  • 認識 - 出来るだけ自分が希望する状態になれるよう、どのような方向性でリハビリや治療を行えばよいのかを知る。諦めなくてはならない事と、改善できそうな事の振り分けを行い、小さなステップでのゴールを設定する。

...そんな内容でした。

今からほぼ4年前にレーシックを受け、かなり面倒な後遺症を抱えた自分に足りなかったのは、まさに「知識・病識・認識」だったと思います。更に言うと、眼科的な「知識」が少しでもあったなら、安易にレーシックも受けなかったでしょうけれど...

 

私の場合、レーシックを受けて、まず発生したのは眼の表面の強烈な痛み。

そして、同時に発生したのが「眼の焦点が合わない」という現象でした。数々の眼科などを周りながら「眼が痛い...眼の焦点が合わない、近くが見えない」と訴え続けていたのですが、この "焦点が合わない" という病態には、実は2種類の問題が隠されていました。当時、私にはその知識が全く無かったため、更に眼科巡りが続いてしまったのです。

 

焦点が合わないという症状は、下記の2つの問題が複合して発生していました:

1. 片目でも両目でも、近くがぼやける = こちらは、眼の調節機能(水晶体)の問題で、俗に老眼と言われています。この調整は眼の水晶体、カメラで言うとレンズにあたる部分が行っています。詳しくはこちら

2. 片目だと見えるのに、両目で見ると近くが2つに分かれて見える = こちらは、今回のテーマでもある輻輳力 (眼を寄せる力) が弱いために発生します。俗に、複視とも呼ばれています。

 

つたない技術で再現してみると:

 1. 下記の画像は、眼の調節機能の問題 (あるいは40代からは老眼) で発生する、見え方の問題です。近くのパソコン画面などが、片目で見ても、両目で見ても、焦点が合わずに何となくぼやけます。

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2. 下記の問題は、輻輳力が弱いために発生する、複視と呼ばれる状態です。近くを片目で見ると全く問題が無いのですが、両目でみると像を融合することが出来ません。私の場合は、4cm 位、像がずれてしまいます。

(ずれ方には個人差があり、下記の再現は自分の場合です)

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私の場合、上記の1. と 2. が同時発生している状況でした。

ただ、レーシック直後は知識が全くなかったために「眼の調節機能の問題(老眼)」と「輻輳力の問題」が同時に発生しているという事が分かっておらず、ただやみくもに、"近くに焦点が合わない焦点が合わない" と叫び続けてしまいました。

残念ながら、眼の調節機能と輻輳力は連動しており、どちらかが弱くなると、片方の症状も発生しやすいようです。ただ、レーシック後に重篤な後遺症に悩まれる方は、高確率で、年齢にかかわらず両方の問題を同時期に発症している方が多いように思います。

なぜ、レーシック後に突然「眼の調節機能」と「輻輳力」に問題が発生する人が居るのか。その原因は分かっていません。ただひとつ言えるのは、+1.5 などのコンタクトレンズを使用して疑似的に近視の状態にすると、複視は一挙に改善し、問題なく近くをひとつの像として観ることが出来るようになるという事です。

...ではどうしたらいいんでしょうか、続きます、多分。