読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

くろねこの涙

レーシック難民になってからの記録

いつか失明するかもしれないと思いながら生きる事、の代償 @ Level 6.0

家賃も光熱費も毎月きっちり払っているはずの自宅から避難せざるを得ない窮地に追い込まれ、東京のアンダーグラウンドをさまよって、2週間。テレビもインターネットも冷蔵庫も無く、共同風呂・洗面所の片隅でユニクロのシャツを洗い、暖かいものも食べられず、ひたすらコンビニ飯とぬるいビールや冷えてない麦茶を飲み、夜は多分この安宿に住んでいるであろう隣の部屋の労働者の、悲しい歌をつまみに瞑想。

ひどい風邪もひかず、毎日ちゃんと会社には通勤出来て (洋服は本当に困ったし、靴は毎日同じだったけど)、健康に過ごせたことには感謝するばかり。

そんななかで、やっと新居の契約が済み、家具も何もかもほとんど持たず、夜逃げ同然での引っ越し。全く知らない新しい街で、新しい生活が始まりました。せっかくの新居ですが、家具が無いため、床で生活し、床でご飯を食べている状態です。とにかく椅子が無いので腰が痛いけれど、精神的には少し落ち着きました。

今後、超えていかないとならない課題はたくさんあるのですが、最初のハードルは超えたような気がします。

...しかし、仕事は待ってくれない。身体も心も限界ぎりぎりの状態なのですが、またまた地球の裏側へ出張です。今回は、そもそも体力も精神力もすべてを使い果たした状態での長距離出張だったので、初っ端から嫌な予感はしていました。

出張先へ向かう飛行機の中で、それは起こりました。とにかく眼から涙がぼろぼろぼろぼろこぼれてくるのです。泣いている訳ではなく、物理的に涙が流れて止まらない。おかしいなぁ、と思いつつ、目薬をさしながらテッシュで涙をぬぐっていたのですが、だんだん眼の表面・眼の奥の痛みが我慢できない位にひどくなり、眼を閉じても痛くて、痛いという言葉さえ無意味に感じるほどの戦慄で、これはまずい!と恐怖を感じても、ここは上空、空の上。

真剣に、「失明するかもしれない」という恐怖を感じましたが、ここはレーシック難民。ただ、ひたすら耐える。本当は泣きたいのにずっと我慢していたから、眼が勝手に泣いてくれているんだ、とか適当なことを考えても、あまりに痛くて「飛行機から降ろしてくれ!」と泣き叫びたくなる、けど、すでに眼からは涙があふれているし、痛みと恐怖で言葉さえ出ない。

なぜだ?生きるために歯を食いしばり、顎までおかしくして、それでも自分の面倒は自分でみようと生活のすべての犠牲にして仕事を頑張っているのに、たった一回の、それもほとんどの人が成功している手術で、私はなんでこんなにひどい後遺症が出ているんだ?いったい、この痛みは何なんだ?原因が分からないって、それなのにレーシックが今も行われているって、おかしくないか? 私の人生を返してほしい、出張を楽にするためにレーシックをしたのに、出張が出来ない身体になった...そして今、飛行機から飛び降りたいと思っている。眼が、あまりに、痛いから。

 

私はいつか、痛みで狂うか、痛みで失明するかもしれない。

私はいつか、痛みで狂うか、痛みで失明して、仕事を失うかもしれない。

私はいつか、痛みで狂うか、痛みで失明して、仕事を失って、ホームレスになるかもしれない。

私はいつか、痛みで狂うか、痛みで失明して、仕事を失って、ホームレスになって、もう自殺するしか方法がなくなるかもしれない。

たった一度の間違いを犯したから。間違いはレーシックをしたこと、安心安全であるはずのレーシック手術を受けてしまったこと。

 

目的地に着き、あまりの眼の痛みで正常な判断もできず、タクシーにぼったくられ、痛みで真っ直ぐに歩くのもやっとの状態。しかし、ホテルに着いてひたすら寝たら、痛みは若干楽になりました。しかし鏡をみたら、右目が腫れあがって、真っ赤な状態ではないですか!周りから心配されるほどに右目が腫れあがったまんま、とりあえず仕事を進めるしかない。だって、この国の言葉で「えーっと、レーシック失敗して、で、機内で涙が突然止まらなくなって眼に激痛が走り」とか説明できないうえに、もう説明する気力もゼロ。ゲームオーバー。

日本から遠く離れた異国の街。ああこの眼さえ痛くなかったら、きっとこの街は本当に美しいのだろうな。いろんな通りを散策しながら、夜遅くまで沈まない太陽をめいっぱい楽しむことができたのだろうな。ちょっと無理して、隣の区域の観光地まで行けたのにな。

...でもね、どん底までたどりついて、ほぼすべてを無くした人間は強いものです。限界まで生き抜いてみます、限界までいろんな世界を旅してみせます、限界まで仕事をします、失明して失職したらそれこそハンガーストライキでもしましょう。ここで泣き寝入りしては、今までの苦労と眼痛がアホみたいなものですから。

...なーんて、美しい街のあまり美しくないビジネスホテルからアップデートしてみました。ビジネスホテルのレストランは、現在ストライキ中で「正義のために立ち上がれ!(Stand up for the right)」と、ご丁寧に英語で張り紙が出されていました。さすが、革命の国。少しは見習わないとなぁ、この強さ。