くろねこの涙

レーシック難民になってからの記録

角膜神経痛についての医学記事の翻訳 (Part 4) @ Level 4

ずーっと昔からの
数十年来の親友に会って、
ちょっと元気をもらいました。

丸ごと受け止めてくれる親友が、
遠く離れていても、
傍に居るって
本当に幸せな事です。


Title : Treating unexplainable pain
(説明のできない痛みの治療)

Sub Title : What can be done for patients with post-LASIK corneal neuralgia?
(レーシック後の角膜神経痛の患者さんの治療について)

by Faith A. Hayden EyeWorld Staff Writer

2012年3月の記事
引用元記事 : http://eyeworld.org/article-treating-unexplainable-pain



今までの記事
第一弾 はじめに
第二弾 角膜神経痛の原因は ?
第三弾 痛みの診断方法


注) 下記はEyeWorldの記事を受けての私の勝手な翻訳です。

複合的な治療プラン

病気の状態にもよりますが、角膜神経痛の患者さんには、特別な総合的治療が必要とされます。

もしも初期の段階で角膜神経痛と診断され、治療がはじめられた場合、症状を抑えられる確率が高くなります。「レーシックを受けてから2~3ヵ月たつのに痛みを訴える患者さんを診察した場合、ほぼすべての患者さんに慢性的な炎症が見受けられます」とHamrah医師は言います。

もしも初期に治療を開始した場合、神経痛は治まります。
しかし「もしも患者さんが6カ月から1年以上、その痛みを抱えていた場合、治療は困難になります」と医師。

Rosenthal医師も早期の治療が肝心だと言います。治療を早期の段階で開始していた場合には、中枢感作(中枢神経がさまざまな刺激に対して過敏になる症候群) を食い止める事ができるのです。

「初期の痛みの発生をおさえることで、角膜神経と角膜上皮の修復を促進させることができたら、論理的にはこの破壊的な中枢感作の発生を食い止める事ができると考えられます」とRosenthal医師は言います。「私はこのような医療的な介入を行う事が出来ると思うのです」。

進行してしまった角膜神経痛の場合には、Cason医師は次のような治療をすすめています。人工涙液などによるドライアイの治療、抗けいれん薬の服用、三環系抗鬱薬の服用、SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬で鬱病などに処方される) の服用、ボストンレンズ (大きめの治療用コンタクトレンズ) の使用、そして保湿眼鏡や保湿用ゴーグルの使用などです。

ボストンレンズの問題点は、患者さんによっては眼球を覆っている結膜が敏感な場合があり、瞼の下のレンズに違和感を感じる場合があることです。

「角膜自体はボストンレンズのなかの液体でしっかり覆われているはずなのですが、それでも痛みを感じてしまうのです」と彼は説明します。「残念ながら、多くの角膜神経痛の患者さんは、あまりボストンレンズでは効果を感じないようです」と述べるHamrah医師は、場合によっては、神経の修復を助ける自己血清点眼に効果がみられたと言います。

しかし、自己血清点眼はすべての眼科で、作成・処方してもらえるものではありません。

「もしも痛みが発生箇所を脳に異動させ、中枢感作がすでに発生してしまっていた場合、患者さんを眼科的な側面からだけではなく神経医、あるいは痛みの専門家とともに治療する必要があります」とHamrah医師は言います。「その場合、全身への投薬だけではなく、神経ブロックから鍼にいたるまで、いろいろな治療の可能性を探らなくてはいけません」。


元の英文:

A multidisciplinary treatment plan

Depending on the disease stage, patients with corneal neuralgia may need special, usually multifaceted, treatment.

If caught and treated early, patients respond fairly well. "When I am referred [patients] 2-3 months after LASIK and they have pain, almost all of them have lingering inflammation," Dr. Hamrah said.

When treated, the neuralgia goes away. However, "if the patient has had this for 6 months to a year, that becomes difficult to treat," he said.

Dr. Rosenthal agreed that central sensitization could be avoided if the pain is treated early.

"I theorize that if we limit the pain and enhance the healing of the nerves and the corneal epithelium, theoretically this devastating centralized pain may be aborted," Dr. Rosenthal said. "I think there's a chance of developing that type of intervention."

For advanced disease, Dr. Cason recommended treating the dry eye conditions with lubrication, anticonvulsants, tricyclic antidepressants and serotonin reuptake inhibitors, and the scleral reservoir lens and evaporation-prevention goggles.

The problem with the scleral lens is some patients have sensitivity in the conjunctiva and may feel the lens under their eyelid.

"Despite the fact that the cornea is completely bathed in fluid, they still have pain sensation," he explained. "Unfortunately, a lot of these patients aren't helped by this." Dr. Hamrah has had some success with autologous serum tears (AST), which promote nerve regeneration.

AST can be problematic to prescribe though, as not all compounding pharmacies make it.

"If the pain has shifted toward the brain and there's a central sensitization, you have to co-manage these patients with neurologists or pain specialists," Dr. Hamrah said. "They have a variety of things [from] systemic medication to nerve blockers to acupuncture."


私の場合、
もう2年以上が過ぎ去っているので、
もしも角膜神経症を発症していると仮定すれば、
抗鬱剤などの薬の服用しか望みが無いような状態です。

保護眼鏡はすでに使用していますし。
あとは、鍼ですね!
東洋医学も捨てたもんじゃないです。


ボストンレンズは、
今の日本の場合だと、
角膜表面が剥がれているなどの重症疾患でないと、
処方してもらえません。

そのため、
自費で使用するとなると、
両眼で20-50万円近くの料金がかかり、
これでは全くのお手上げです。


自己血清点眼は、
一度勧められたことがあるのですが、
作成できる病院が遠いうえに、
料金が高いこと、
保存期間が短いというデメリットがあり、
躊躇してしまいました。

こちらも都内で処方してくれる病院を見つけたので、
試してみる価値はありそうです。
…ただ、高額なんだよな。

さて、
次回が最終回です。

「予防のための事前スクリーニング」
についての翻訳を載せたいと思います。

レーシックを受ける前に、
角膜神経症を発症しそうな患者さんを、
事前スクリーニングして見つけることは
可能なんでしょうか?